Copy
パートナーズ通信
ブラウザで読む方はこちらから

弁護士法人パートナーズ法律事務所ニュース

2019年03月27日配信号

 
 確定申告の時期も終わり、いよいよ新しい年度が始まろうとしています。平成という時代も終わり、新しい時代がスタートしようとしています。いろいろな意味で、大きな変化が訪れる歴史の転換点に来ているような気配がします。

 当事務所では、事務所の顧問先、取引先、名刺交換をしたみなさまに、月1回、事務所の近況や企業経営と市民生活に役立つ情報を提供するためメールでニュースを配信させていただきます。

 事務所ニュースの配信を希望されない方は、下記のアドレス宛に、配信解除のご連絡を頂きますようお願いいたします。

⇒配信解除

 日常生活で起こりうる法律問題等、皆様に役立つ情報の掲載に努めて参りますので、最後までお読みいただければ幸いです。

>>INDEX
1.  磯部弁護士無罪判決を獲得!
2.  民法改正と保証人制度(2020年4月施行)
3.  破産者マップの波紋

1.  磯部弁護士無罪判決を獲得!


 磯部たな弁護士が関谷恵美弁護士(北千葉総合法律事務所)と取り組んだ出入国管理及び難民認定法(以下「出管法」)違反被告事件で平成31年3月19日に無罪判決を獲得しました。
 これは、日本人・フィリピン人の夫婦が、「偽りその他不正の手段」により在留期間更新の許可を受けたのではないかと疑われ逮捕・勾留されたという事件です。勾留期間は約4か月にも及び、その間日本人配偶者の父親もなくなるということもありました。そうした中でこの夫婦は否認を貫き、無事に無罪判決を得ることができました。
 磯部弁護士らは、検察官の主張・立証を弾劾するとともに、積極的な立証活動を行い、その結果、判決では全面的にその主張を認めてもらいました。
 おととし改正された出管法では、偽装結婚などの不正な手段で在留資格を得た者について刑事罰の対象とする規定が設けられました。同規定について無罪判決が出るのは初めてのことだと思われます。今後この規定が制限的に適用され、国際結婚のカップルが安心して日本で生活できるようになってほしいものです。

2.  民法改正と保証人制度(2020年4月施行)

 

 2020年4月に施行される改正民法において、「根保証」に関する改正がなされました。なお、根保証契約とは、「一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約」のことをいいます。
 現行民法においては、個人が「貸金等」の根保証をする場合に保証人を保護する規定がありました。改正民法においては、その一部について、「貸金等」の根保証に限らず、広く個人が根保証契約をする場合(改正民法において「個人根保証契約」と定義づけられました。)に保護の対象を広げました。
 「貸金等」以外の根保証契約とは、たとえば、賃貸借契約における賃料債務等の保証契約や継続的売買契約の保証契約などが挙げられます。
 改正民法においては、①「個人根保証契約」において、書面により、利息、違約金、損害賠償額など全てを含む極度額の定めがない限り当該保証契約は無効となることが定められました(改正民法465条の2第2項)。たとえば、建物賃貸借契約における保証契約の際、書面により極度額の定めをしない限り、保証契約自体が無効となってしまうことになります。
 また、②「個人根保証契約」において、(ア)保証人の財産について強制執行又は担保権の実行が申し立てられたとき、(イ)保証人が破産手続開始決定を受けたとき、(ウ)主債務者又は保証人が死亡したときが元本確定事由となることが定められました(改正民法465条の4第1項)。たとえば、建物賃貸借契約における保証契約において、借主が死亡してしまった場合には元本が確定し、その後に発生する賃料債務等について、借主の保証人は責任を負わないことになります。
 また、上記①の改正に伴い、保証人が法人である根保証契約(「A契約」とします。)において、極度額の定めがない場合には、A契約に基づいて発生する求償権を個人が保証するBという保証契約(根保証でないもの)は、無効となることが定められました(改正民法465条の5第1項)。
 改正民法の根保証の規定は、施行日である2020年4月1日以降に締結された保証契約について適用されます。保証債務の発生が2020年4月1日以後であっても、保証契約の締結日が2020年4月1日以前の場合には、改正前の現行民法の規定が適用されますのでご注意ください(弁護士 寺澤春香)。

3. 破産者マップの波紋

 

(1)先月は、破産者の情報を収集し、それを検索できるようにインターネット上のサイトに掲載した「破産者マップ」が問題になりました。既に、破産者マップは、批判を受けて閉鎖されているようです。
 日本では、破産手続開始が決定されると、その情報が官報に掲載されます(破産法第32条)。
 一見すると、破産手続開始の情報は、国が公表し誰でもアクセスできる情報であり、その情報をそのまま二次情報として提供するだけであり、何の問題もないかのように見えます。

(2)しかし、実際は、官報など一般的には誰もチェックしていないし、弁護士のもとに破産申立ての相談に来る依頼者は、他人に破産の事実が知られることを一番恐れています。そんなときに、弁護士は、「官報に掲載されますが、一部を除いて通常見る人はいません。戸籍にも載らないし、普通の生活を継続することができます。」といって破産者の不安を払しょくします。 
 破産手続開始の官報掲載は、もともと破産者の制裁のためにあるのではなく、債務者の破産の事実を公告することにより、当該債務者の債権者に債権届出や異議申立ての機会を付与するというための制度であり、破産者をスティグマ化(差別的なレッテル張り)するための制度ではありません。破産者マップは、明らかに破産手続きにおける公告制度を悪用した個人情報の侵害的な濫用といえます。

(3)この問題の法律的な論点や弊害については、既に様々な法律家が取り上げており、また、被害救済のための弁護団も立ち上がっているところであり、深く触れるつもりはありません。
 もともと日本は、再チャレンジが難しい社会文化であり、破産に対するネガティブなイメージが強く存在しています。それに加え、私は、破産者マップが登場する時代背景や社会背景にこそ着目をし、また、その現象に危惧の念を禁じ得ません。
 すなわち、今、日本の社会は閉塞感に覆われ、格差が拡大し、展望の見えない状況が続いています。このような中で、社会の中に異質なもの、弱い者、を見つけ出し、それをスケープゴートに見立てて、批判の的にし、そのことによって、憂さ晴らしをするという短絡的で、非人間的な思考が表れているとみることができるのではないでしょうか。
 スケープゴート化は、現実からの逃避であり、健全な思考の停止にしかならず、本来解決すべき社会問題はそのことによってますます深刻化するだけであると考えます(弁護士 原和良「となりの弁護士」3月号掲載)。

 
  
 

*事務所では、ホームページで、法律コラム(月一回)の他、となりの弁護士(原和良)、磯部たなの漫遊記(磯部たな)など各所属弁護士のコラム・ブログを掲載しておりますので、こちらもぜひご覧ください。


弁護士法人パートナーズ法律事務所ニュース 2019年03月27日配信号

○発行:弁護士法人パートナーズ法律事務所 東京都豊島区南大塚3-36-7 T&Tビル4F
○発行人:
弁護士法人パートナーズ法律事務所ニュース運営事務局
○お問い合わせ TEL:03-5911-3216 E-mail:info@p-law.jp


配信登録解除   登録情報更新

Email Marketing Powered by Mailchimp